ボランティアスタッフインタビュー
カンファレンスボランティアスタッフってどんなことするんだろう? そんな疑問に応えるべく、過去にbuildersconの前身であるYAPC::Asia Tokyoにてスタッフをされていた方3名にお話を聞きました。スタッフやってみようかな?と思ってる方の一助になれば幸いです。
(文責:kamadango)
2014年YAPC::Asiaボランティアスタッフ onigra_さん
コードを書く以外にもオープンソースコミュニティに貢献する手段
カンファレンスに関わろうと思ったきっかけは、ずっとオープンソースコミュニティに「何かしら貢献」したいという気持ちがあったからです。もう一点挙げると、外部で何かをやっている!というキャリアというか、経験が欲しかったところですね。誰かに誘われたということでなく、自分から。Rubyの20周年のイベントやYAPCにボランティアスタッフで参加しました。コードを書くこと以外にもオープンソースコミュニティに貢献する手段はあるんだということが、まだスタッフをされたことのない方に伝えたいことです。
参考:プログラミング初心者でも始められるコミュニティへの参加と貢献
エンジニア同士の新しいつながりができる
もともと根暗というか、わいわいするようなキャラじゃなくて。ただ、役割があればできるので、スタッフは向いていました。コードでコミュニティに貢献できるレベルのものはなかなか出せないけど、労働力の提供はできて、それは自分にとっては幸せなことでした。しゃしゃりでるのは辛いので、空気を読みながらやってましたけどw。2014年に参加し、役割を全うする中で、普段仕事上で得る感覚に近い人たちと新しいつながりができて、参加してよかったと思います。
しゃしゃりでるのは嫌だけど、貢献するために少しずつしゃしゃりでる
スタッフとしては、2日間同じ部屋でスピーカーのサポートをしていました。トーク前にスピーカーと軽く雑談しながら、紹介するときのタイトルの読みや人の名前が正しいかなどをさりげなく確認。カンペを作成して、司会進行を行っていました。現場にいると参加者の動きがよくわかるので、部屋のキャパを有効活用できるように、部屋ごとでTwitterのハッシュタグを分ける提案とかをしました。最初は役割を与えられて、現場に行く。でもやっていくうちに、自分で環境改善して、提案するようになっていました。会場でずっと司会をして、しゃべるのに慣れながら、LTで登壇もしました。
参考:TDD(Twitter Driven Datsu-Syoshinsya) / Twitter駆動脱初心者
声をあげる人、あげない人の才能に違いはない
実行委員長の牧さんが、「コミュニティで静寂は一番ダメ」っていうのが印象に残っています。だれかやってるくれないか?というタスク分担に割り振りがあったときに、声をあげるとしゃしゃりでてる感じが出るんじゃないかと思い、「自分がやります!」と声をあげるのが難しかったですね。周りに技術的に有名な人がいるから、なかなか前に出られない。やっていくうちに、タスクはコミュニティの中で公平だし、やってくれる人は本当にありがたい存在と思われているということがわかりました。やれることがあれば進んでやる人が一番。
当日バディ制度
ボランティアスタッフで参加する際に、僕は自分から参加したんですが、当日バディ制度(経験あるスタッフがフォローする)があってすごくよかったです。誰も知らない状況からでも、無理なくスムーズに役割を担当することができ、作業を進めていくうちに打ち解けていく感じもよかったです。初めてスタッフになる人でも安心して入っていけます。
参考:YAPC::Asia 2014 ボランティアスタッフとLTを終えて
2010年- YAPC::Asiaボランティアスタッフ monmonさん
カンファレンスとの関わり方
2009年にYAPCを知り、2010年にボランティアスタッフとして入り、朝早くからみんなでTシャツをたたむ仕事をしたのを覚えています。その後、2013年にコアスタッフに入り、準備から前夜祭、本編2日とフルコミットしました。2015年はまたボランティアスタッフに戻り、会社やプライベートとの兼ね合いをみながら関わっていました。
参考:YAPC::Asia2010にボランティアで参加して楽しんで、そして今からYAPC::Asia2011をワクワクして待ってる
カンファレンス以外にもみんな仕事がある
みんなが別に仕事を持ちながら、時間を融通して関わっているので、事前準備の状況は Slack や ML などで確認しあっていました。ただ、リモートでは情報を確認しにくいので決まった時間に週報があったり、「できる、できない」を明確にするための即レスをみんな心がけていました。また、テキストだけだとギスギスしがちにもなるので月一回の顔合わせ報告会でテンションを上げたりもしていました。
できていないことの見える化と共有
タスクができてるか、できていないか。「できてない」というのは結構言いづらかったりしますが、それが隠れてしまうとカンファレンスが成立しないので、その人の持つ不安感も含め、情報は全体に見えるようにしてあって、フォローアップできる環境構築がなされていました。Slack には情報が分散しないように general と random だけがあり、週報は GitHub にまとめてありました。
できないことはできないといって構わない
スタッフはみんな、参加者の人に楽しんでもらい、カンファレンスを成功させたいと強く思って頑張っています。でも難しいのがそういう中だからこそ「タスクができない」って言うこと。できないことは、なんの罪ではないし、恥ずかしがらずに「できない」ということが大事。普段の仕事もあるし、想定通りいかないこともある。実際リアサインしたのもいくつかあり、フォローアップがなされていました。責任感と使命感も大事だけど、みんなでフォローアップしあうのがもっと大事だと思います。
参考:YAPC::Asia Tokyo がなかったら今の僕はないと言っても良いくらい楽しんで参加 し続けました
2012年- YAPC::AsiaボランティアスタッフTakeshi Yakoさん
Twitterの募集が目について
2006年まで仕事でドイツに1年、イギリスに3年いて、海外の頃からTwitterで登壇者を検索してカンファレンスを見ていて興味がありました。2012年に参加者をフォローしていて、たまたまTwitterでスタッフ募集をかけていることに気づいて、@941さんをフォローして応募したというのが僕のスタッフのはじめです。
4年間当日スタッフに徹した
カンファレンスにはいろいろな関わり方があると思います。僕はコアスタッフでもないし、スピーカーになったことも、LT(ライトニングトーク)に登壇したこともありません。LTに限って言えば、出せばよかったんですが、なかなか出せなくて。僕は何か作っている人ではなくて、何かを組み合わせているだけという認識でいて。単純に、ただ日和っていたのかもしれません。w
当日ボランティアスタッフを続けた理由
当日だけボランティアスタッフをしていた理由は、仕事やプライベートとの兼ね合いです。今思えば有給をもっと取って参加しておけばよかったなとも思いますね。コミットの仕方は完全に自分次第なので、当日行くだけだと、ブリーフィングが仕事終わりだったので参加しやすかった。
ノベルティ詰めを改善していった
スタッフとして何をしていたかというと、具体的には有線コードを養生テープで目張りしたりとか、ビデオ録画したり、トークの注意事項を話したり、スポンサー企業のノベルティ詰めをしたりなどしてました。宅配便を開けて、仕分けして、ノベルティバックに詰め込むことをもくもくと作業していました。2015年には方式を変えたら早くなるんじゃないかということで、試してみたところ今まで5~6時間かかっていた作業が、3時間に圧縮されて嬉しかったですね。
参考:How to pack Novelty goods YAPC::Asia Tokyo 2015
なにかあったらリーダーに
これは実行委員長の牧さんが口を酸っぱくして伝えていたことで、一人で無理をしないでくださいということです。責任の共有をしていたので、ミスはありませんでした。唯一緊張したことといえばビデオの録画ができているかということくらい。これもスタッフのSlack内で時々monmonさんがリマインドを投げてくれたりと、失敗する余地がないくらい練りこまれていました。スタッフ内の喧嘩も見たことないし、頑張ってノベルティ詰めしてスタッフみんなで打ち上げすると、新しく仲良い人が増えて楽しかったですね。
onigra_さん、 monmonさん、Takeshi Yakoさんにお話を聞きました。ありがとうございました。
カンファレンスボランティアスタッフってどんなことするんだろう?なんとなくイメージつきましたでしょうか? buildersconの第一回は12/3(土)。一緒にカンファレンスを作ることで、新しい出会いがたくさん生まれます。興味ある方は是非ご応募ください。